3.第2段階 (3/4)

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第2段階(2)文法

 以前、「日本人の間違ったアプローチ(1)文字からのアプローチ」
の中で、語学習得の最適な順番は我々が日本語を身につけた際の順番であり、そ
れは以下のようであるということを述べました。


 [聞く][話す][読む][書く][勉強(=文法)]


 そして、「日本人の間違ったアプローチ(3)”正しい”英語からのアプローチ
の中で、「文法的に”正しい”英語は文法を覚えることで得られ
るのではなく、大量の音のインプットから『こういうときにはこう言うものだ』
という感覚をつかむことによって得られるものだ」、ということをご説明してき
ました。ネイティブは基本的にこの方法で身につけていますし、我々日本人が日
本語を習得した方法もこの方法です。この方法が王道であり、基本なのです。

範囲を絞って文法を習得する。

 しかし、この方法は唯一の弱点があります。それは時間がかかりすぎるという
点です。我々が日本語の文法を学び始めたのは小学校入学以降です。(大人の我
々の場合もまったく同じとはいえないのでしょうが)上のような本来のステップ
を踏んでいった場合、少なくとも数年はかかるということが想像されます。

英語を趣味として楽しめる人はそれでも良いかもしれませんが、英語をツールとして
ビジネスに活かすことを目的としている場合は、そんな悠長なことを言ってられ
ません。我々には時間がないのです。限られた時間の中で出来る限りTOEICスコア
を伸ばすには、どうしたらよいのでしょうか?

 それは、ずばり「TOEICに出題される文法を優先的に習得する」しかありません。
こう書いてしまうと、英語を習得するという本来の道を少し外れるようですが、
背に腹は代えられません。Part5,6に関しては、頻出問題というものが存在しま
す。それを狙い撃ちした対策をとるのです。

 では、TOEICで頻出の文法問題とはいったいどういったものでしょうか?

 それは、英語圏から見れば、外国人である我々が間違えやすい文法です。もっ
と具体的に言えば、aとtheの使い分け、仮定法過去、完了形など、日本語に見当
たらない、したがって理解しにくい概念の文法事項なのです。こういった文法を
重点的に訓練することで、短期間で効率良く文法問題をクリアすることが出来る
ようになるのです。

訓練により高速化

 Part.5,6対策としてもう一つ大事なことがあります。それは、とにかく速く回
答できるように訓練していかなくてはいけない、ということです。

 TOEICは時間との戦いです。リスニング・セクションはテープにより回答時間は
自動的に決められてしまいますが、リーディング・セクションの時間配分は自分
の裁量に任せられます。Part.5,6で時間がかかってしまうと、長文をすべて回答
するだけの時間がなくなってしまいます。全問回答できないようだと、730点突破
(=Bランク入り)は非常に苦しいものになってしまいます。

 では、どうやって速く回答できるように訓練していったらよいのでしょうか?
それは、「とにかく場数を踏む」しかありません。つまり「TOEIC型の問題集を大
量にこなす」のです。こうすることで、問題を見た瞬間に回答が選べるような問
題が多くなります。たとえば、"If you had been 〜, I would have ___ …"
ときたら、問題の他の部分を読まなくても、"done"を条件反射的に選択できる
ような感じです。

TOEICに特化型問題集に頼ることの是非

 ここまでくると、「TOEICに特化した勉強ばかりをして、本当に英語力がつくの
だろうか?」と心配になる人もいるかもしれません。しかし、大丈夫です。TOEIC
で出題される文法問題は、「文法のための文法問題ではなく、実際に日常使われ
る英語を運用していく上での基礎的な部分(「TOEIC文法 急所総攻撃」より)」が出題
されています。TOEICの頻出の文法は、すなわち日常での頻出の文法なのです。

 そして、これについては、実はTOEICを実施しているETSも以下のように認めて
いるのです。

 「英会話学校や市販の教材によってTOEICの類例を多数練習することは、決して
無駄ではありません。TOEICと同じようなスピードで英語を聞き、速いスピードで
英語を読む練習を続けることにより、スピード対応能力がつき結果としてTOEICス
コアがあがれば、それはまさに英語の実力がついたことを示しているのです。
(TOEIC公式ページより) 」

具体的な学習法

 では、具体的な学習方法についてご説明します。

★ステップ(1):TOEIC頻出の文法事項を習得する。

 まずは頻出問題である日本人にはなじみにくい文法事項を整理することから始
めます。

 TOEICで頻出される文法の対策として、本屋のTOEIC対策コーナーには、それこ
そたくさんの本が並んでいますが、その中でも私が自信を持ってお勧めするのが、
「TOEIC文法 鉄則大攻略」と「TOEIC文法 急所総攻撃」です。

TOEIC文法 鉄則大攻略 TOEIC文法 急所総攻撃
「TOEIC文法 鉄則大攻略」 「TOEIC文法 急所総攻撃」


 この本は、「英語難民を必ず救う本」の著者である鹿野晴夫氏、それからいく
つものWebサイトでお勧めされており、私も使ってみて他の文法書に比べると格段
にわかりやすいことを実感しました。もちろん私に700点突破の方法を伝授してく
れた本間さんもお勧めです。さすがにあちこちで薦められているだけあります。
まさに「目からうろこ状態」の連続です。

 この本は長本先生の語り口がそのまま活字になっていて、まるで本人の授業を
うけているような感じも特徴です。たとえば、こんな感じです。

[Part5形式]

The lowyer suggested that her client ______ better financial records.

(A) keep
(B) would keep
(C) keeps
(D) could keep

 初めてこの種の問題をやる人には850点〜900点レベルの問題であり、一度でも
身に覚えのある人にとっては600点くらいの問題だろうと思います。時制の一致
だ!なんて考えた人は甘いのです。

 この問題のキーはsuggest(提案する)という同士そのものが問題なので、その
自制が過去時制ということで問題ではありません。

 正解は(A)です。えー!と思う人もいるでしょうが、黙らっしゃい。主張・提
案・要求の同士がきたら、that節の中は仮定法現在、つまり同士は伸でも原型に
します。そういうルールなんだから仕方がない。

 これはすごく堅い文語的な言い方ですが覚えていてください。

「TOEIC文法 鉄則大攻略」 UNIT4 TOEIC急所の2問Try!より抜粋)

 まずはこの2冊を解説を読みながらじっくりと取り組みましょう。問題もすべて
解いていきます。そのときに間違えた問題には、あとのステップに備えて、しる
しをつけておきます。

 ステップ(1)は以上です。次のステップ(2)に進みます。

ステップ(2):数冊の問題集をこなす

 Part.5,6形式の数冊の問題集をこなし、ステップ(1)でつけた知識の定着度合い
をチェックしていきます。
 このとき使う教材は

 (1)自分のレベルにあったもの(難しすぎないもの)
 (2)解説がなるべくしっかりしているもの。
 (3)答え合せがしやすい紙面構成となっていること。
  (見開きの左側が問題、右側が解説となっていたりすると読みやすい)

などを考慮にいれて、実際に本屋でいろいろと選んで見るとよいでしょう。

 ご参考までに、私が使った問題集を下に上げておきます。


TOEICテストスーパートレーニング 文法・語法・正誤問題編 TOEICテスト730点突破のための実戦問題517 リーディング編 TOEIC TESTリーディング完全攻略―文法・長文読解問題テクニック
TOEICテストスーパートレーニング 文法・語法・正誤問題編 TOEICテスト730点突破のための実戦問題517 リーディング編 TOEIC TESTリーディング完全攻略―文法・長文読解問題テクニック


 ここでも間違えた問題にはしるしをつけておきます。

ステップ(3):ステップ(1)、(2)で間違えた問題をもう一度解く。
 そして、この最後のステップが今回の最大のポイントです。

 「間違えた問題を一度解き直す。」

 これが大事です。最低でも3回は繰り返しましょう。ある程度問題集をこなした
らあとは、新しい問題集に取り組むのではなく、今までやってきた問題集のなか
で、間違えたものをもう一度解いてみることが重要です。この方が新しい問題集
をこなすよりも数倍の効果をもたらします。

 なかなか覚えられない問題については、筆写をして例文丸ごと覚えたりするこ
ともよいかもしれません。

 上記の方法により、TOEICスコアで100点は上がることを保証します。私自身635
点から780点にアップしたことが、本文からもおわかりいただけることでしょう。

 ただし、これは「3つのトレーニング」により、英語習得の土台が出来ているこ
とが条件となります。あくまでもこの「3つのトレーニング」がすべての基本であ
り、「3つのトレーニング」の段階を省略して、上記の文法対策を行っても、効果
はあまり見込めません。スコアにして25点〜50点程度で継続的なアップは見込め
ません。いわゆる「誤差程度」です。繰り返しになりますが、「3つのトレーニン
グ」が英語習得の基本なのです。


 最後は速読について解説します。 >>

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