リスニングにこそ発音?
2)と3)について少し説明しましょう。海外経験の長くない英語学習者
はほぼ100%カタカナ英語・あるいはカタカナ風にアレンジされた英語
を話しています。そのような人は、頭の中にカタカナ化回路を
持っていて、せっかく聞こえてきたネイティブの音声を、無意識の
うちにカタカナ変換して認識してしまいます。LとRの区別がつかな
かったり、Samとsumが聞き分けられないという日本人特有のクセは
このカタカナ化回路が悪さをしているのです。
発音をやるということは、正しい発音をマスターするということで
あり、その結果、カタカナ化回路をオフにして英語の正しい音をその
まま認識できるようにすることです。2)で言っている「耳が良くなる」
はこのことを意味しています。
次に、正しい音が認識できるようになると何故トータルのリスニング
力が上がるかです。英語ではLの音とRの音は異なります。Samのaと
sumのuも異なる音です。しかし、カタカナ回路がある人はネイティブ
の話す英文の中に「サム」という音が聞こえたとき、文脈からSamな
のかsumなのかを判断します。こんな具合に:
Samという音→カタカナ化で「サム」→自己紹介中なのでSamだろう
一方、正しい音が聞き取れる人は:
Samという音→あ、Samね
という風に、文脈に頼らず聞いた瞬間に音がわかるのです。
カタカナ化や特に文脈から推測するといったことはかなり高度な処理
ですので、頭の能力の多くを使っているはずです。正しい音が聞き
取れる人は、こういった処理をする必要がないのでもっと別のこと
に頭を使うことができます。トータルのリスニング力がアップする
というのはこのためです。
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